2019-05-01から1ヶ月間の記事一覧

夜の姫君

夜はいい。 初夏の夜は魔物みたいに良い。 夜を吸い込んで、おなか一杯になるくらいだ。 タクシーの窓から手を出して、夜風を切って、 ホログラムみたいな外套に指をさらして、 掬い取った水面の膜を弄ぶみたいに、 とろとろとしたスピードの中で君を触る。 …

ほっといてっていう

何度も何回も、交ってしまう事象の行方を考えている。 それに対して、終わりを見据えている。 巻き戻しを何回も見る。 何度見ても、やっぱりダメだったと思う。 たかが、それ。 されど、それ。 心情に従って、頭で心を抑制しようとする。 そして、大事なもの…

心の最後は

いつか、心はどこかに行くのでしょうね。 私が移り変わったように色づいたものへ飛んでいくのでしょうね。 私はまだ美しく、輝いていて、 まだ若く、瑞々しく、可愛らしい。 それを振りまいて行くのは悪いことじゃない気がします。 死ぬまで、っていうのは …